日本財団 図書館


 

のだとわかってきました、実際に、年を追う毎に各教科の実践報告は多くなり、教科間の連携も見られるようになりました。生徒の中にも環境教育が蓄積され、前年または他教科の経験を次の学習へとつなげて考えられるようになってきました。
また、環境教育の中で大切だとされる「参加体験型」の授業の流れや、体験学習を通した「気づき」の重要性も少しずつ見えてきたように思います。南中独自のネイチャーゲームを考え出す先生も現れ、先日も受験期の3年生の気分転換にと小春日和の森に出かけ、木の実や紅葉の葉を集め、俳句まで詠んでくるといった活動を作り出した先生がいました。
生徒も先生も環境教育を楽しめるようになってきたように感じます。
更に、生徒の活動を側面から支援・援助していくという教師の役割は、学習者が主体となる新しい教育における教師の姿勢として、多方面に広げていくことができるのではないかと思います。
このようにすこしずつわかってきた環境教育ではありますが、単なる理解で終わらないのが環境教育の難しさです。本校でも道徳や特活領域を中心に「心の教育」に力を入れてきましたが、まだ充分とは言えません。特に、人間関係が希薄な中学校生活においては、これからも「心を育む環境教育」という姿勢を大切にしていきたいと思います。
そして、これからは様々な場面での「心の耕し」と、各教科での「知的学習」の両面からのアプローチを考え、更に具体的なものから抽象的なものへとカリキュラムを組むなど、中学校での学習全体を見通した「総合的な環境教育」を考えていく必要があります、本校でも行動に結び付けていく環境教育として、参加体験型の授業を取り入れるなど、知識だけの環境教育にならないように取り組んできたつもりなのですが、まだまだ自主的に環境にはたらきかける力は充分に育っていません。環境教育に取り組み始めてからまだ日も浅く、やっと動き始めた段階です。環境教育を中学校だけのものと考えず、生涯教育の一環として長い目で見ながら、あせらず根気良く指導を続けていきたいと思います。

 

 

 

前ページ   目次へ   次ページ

 






日本財団図書館は、日本財団が運営しています。

  • 日本財団 THE NIPPON FOUNDATION